病室WiFiの現状

本調査は、ボランティア調査員95名によって行われた初の病室Wi-Fi全国調査です。皆さんのご協力に感謝いたします。
地域にとって重要な拠点病院ばかりを調査したのですが、全病室で無料Wi-Fiを使える病院は全体の20%にとどまりました。
地域別に全病室無料Wi-Fiの導入率を比べてみました。

秋田・宮城・富山・三重・大分・滋賀・広島・高知では、拠点病院、国立病院に入院しても全病室無料Wi-Fiの病院が「ゼロ」、一つもないという、地域的に大変厳しい状況にあることがわかりました。みなさんの地域はいかがでしょうか?

さらに病院の種類別の統計をとると、国が指定する「がんの拠点病院」は約2割のみ。長期入院のお子さんたちが病と向き合っている「小児がんの拠点病院」は15病院のうちの2病院のみ。

そして厚生労働省の所管である国立病院機構に所属する病院は全国140施設のうち、11施設しか無料Wi-Fiが完備されていないことが(恐らく初めて)判明しました。

まずはこれら拠点病院・国立病院から、国は政策として病室Wi-Fiの導入を進めるべきと考えます。

反対の視点からみますと、2割とはいえ実現できている病院があるということはとても重要な事実です。

そこで、調査結果とこれまでの活動から、私たち#病室WiFi協議会は、病院関係者の皆さんに以下のメッセージを送ります

ひとつ重要なことは、「今から申請しても間に合わないだろう」とあきらめないで頂きたいということです。

期限間際に申請がたくさん集まると、その民意の高さに、補助金の申請期限が延長されることがあると関係者にお聞きしました。
病院関係者の、そしてWi-Fi業者のみなさん ぜひともあきらめずに、9月30日まで補助金の申請書の提出をお願いいたします。

そして厚生労働省には、9月30日の補助金申請期限を延ばしていただきたいと訴えています。

病室内のWi-Fi整備を今!

日本には民間、公共あわせて約9,000の病院があります。ある調査によれば、すでに81.1%の医療機関がWi-Fi(無線LAN)を導入しています。しかし患者などにWi-Fiアクセスを提供しているのは、その27.3%に留まっています。 今、コロナ禍で、外部との接触ができない状況下、 がん患者、筋ジストロフィーやろう者などの障害者、など多くの患者たちにとって、病室でWi-Fi(無線LAN)を使えることが、外部とのコミュニケーションのために本当に重要になっています。

がん患者などの長期入院者

がん患者などの長期入院者にとって、コロナ渦で家族にも会えない長期入院生活を強いられています。病室のWi-Fiで患者の孤独を和らげ、外部とのコミュニケーションを可能にすることは、患者QOL(生活の質)を向上するのに必須です。

障害者にとっては死活問題

がん患者などの長期入院者にとって、コロナ渦で家族にも会えない長期入院生活を強いられています。病室のWi-Fiで患者の孤独を和らげ、外部とのコミュニケーションを可能にすることは、患者QOL(生活の質)を向上するのに必須です。

Wi-Fiは医療機器に悪影響を与えません

総務省、厚生労働省、電波環境協議会の調査によると、Wi-Fiや携帯電話は、病院内の医療機器にほとんど悪影響を与えません。

SDGsとDXの「かなめ」

日本国内では、DX(デジタルトランフォーメーション)やデジタル庁設置など、社会のデジタル化が声高に推進されようとしています。また国連「誰も取り残されない」をスローガンにかかげるSDGにも、国をあげて取組んでいます。病室のWi-Fiはそのための重要なインフラです。